記憶の汀

~大学図書館司書のとりとめのない日々のこと~

晴れときどきテレビ

皆さまこんにちは。

朝晩が急に冷えるようになりましたね。

秋は足早にやってきます。

 

学生時代に一人暮らしを始めてから、ずっとテレビを持たない生活をしています。

そんな私がテレビの話題を。

 

私がテレビを見るのは、帰省したときと出張でホテルに泊まったときくらい。

以前、帰省した時に父が紹介してくれた番組があります。

それは、ピアノの置いてある駅に定点カメラを設置してどんな人が弾くのかを見守る・・・という番組。

いわゆる「ストピ」(ストリートピアノ)です。

YouTubeにも個人で動画をアップしている人がたくさんいますね。

浜松駅で弾いてみた、とか。

 

さて、これがなかなか味のある番組なのです。

演奏会ではないので、もちろんプログラムはありません。

ふらっと来て、弾いて、一言インタビューを受けて、颯爽と去ってゆく・・・。

過剰な演出がなく、淡々としていてよいですね。

 

電車の待ち時間があったので弾いてみたという会社員。

これからピアノの発表会があるという女学生。

むかし奥さんが弾いていた曲のメロディーだけ弾いてみるおじいさん。

いろいろな人生がある。

 

改めて、音楽とは時間の芸術なのだと思います。

弾いたそばから音は消えるのですから。

 

バイオリンやフルートでは任意に音を長く伸ばすことができます。

弓を引く圧力や指の動き、強弱によって音をさまざまに変化させることも。

 

しかし、ピアノはなかなかそうはいなかい。

1音「ド」を弾くと、その音は減衰して消えてゆくのみ。

あとからクレッシェンドをしたり、ビブラートをかけたりすることはできない。

これは、自分の指が直にピアノ線に触れているわけではなく、鍵盤という機構によってハンマーが音を叩き出していることからなのでしょうね。

1音1音が勝負で、巻き戻しができないんだなぁ。

 

なんだか私たちの人生に似ている・・・のかもね。