みなさまこんにちは。
今日は俳句誌『知音』の6月号からさくっと好きな句を。
早春の光を廻す水車かな(西山よしかず)
>鮮やかな景が浮かびます。お手本のような句だと感じました。好きだなぁ。こういう句を作れるレベルになるにはどれほどの修練が要るのだろう。
くれなゐの雨滴をとどめ枝垂れ梅(青木桐花)
>おそらく誰もが一度は目にしたことがある光景をきちんと捉えて一句に。梅の紅が雨粒に映りこみます。
あめんぼう水速ければ忙しく(原 川雀)
>確かな観察眼。
あたたかやすれ違ふのはみな女性(津野利行)
>読者もあたたかな気持ちになります。”みな”という言葉の響きもあたたか。
切り株に座り弁当菫草(山﨑茉莉花)
>切り株に座ることで、目線が低くなって菫がよく見えそうです。日本は菫の宝庫だと聞きます。
海を向くベンチにひとり花の昼(千葉美森)
>海の見える駅に行って、この句にあるようなゆったりした時間を過ごしたいなぁ。
かたかごの花この恋も片おもひ(中野のはら)
>うつむきがちに咲くかたくり。詩情ゆたかな一句です。
風信子眠らぬ花に夜の来て(竹中和恵)
白ばかり束ねて淡きフリージア(竹中和恵)
>言われてみれば、そうだなぁと思います。花にささやかな物語性を。
>たしかに黄色い水仙って元気をもらえそうです。
皆が皆スマホを見つめ春寒し(成田守隆)
>上京したころ、電車の中の人がみんなスマホに釘付けだったのが異様な光景に感じました。すぐに慣れててしまったけれど。現代のうすら寒い淋しい風景ですね。
オレンジのフレアスカート春立ちぬ(國領麻美)
>うきうきするような楽しい句。オレンジと春っていいな。
立春と言へど野山に何もなし(星野よう子)
>なるほど。そういうこともありますよね。