記憶の汀

~大学図書館司書のとりとめのない日々のこと~

塚本邦雄『清唱千首』を読み返す

みなさま、こんにちは。

年度末はバタバタしていて何かと疲れます。

 

今夜は塚本邦雄の『清唱千首』を読み返しています。

副題には「白雉・朱鳥より安土・桃山にいたる千年の歌から選りすぐった絶唱千首」とあります。

 

私は疲れているときは短歌の歌集は読めません。(読もうという気力が湧かない)

短歌は意味を考えないといけないから。「いけないから」というか、読むと意味を考えざるを得なくなる。

現代語だからどうしても意味がついてまわって来る。

それが疲れているときには鬱陶しく感じる。

 

疲れているときは和歌のほうがいい。和歌は美しいから。ただただ美しいから。

私はさしあたり意味を考えずに、韻律の美しさを堪能しています。

 

磯の上に生ふる馬酔木を手折らめど見すべき君がありと言はなくに(大来皇女

この世にはわすれぬ春のおもかげよ朧月夜の花の光に(式子内親王

面影のかすめる月ぞ宿りける春や昔の袖のなみだに(俊成女)

 

ああ、もう何も言うことはない。最高だ。