みなさま、こんにちは。
本年もよろしくお願いいたします。
私が所属している歌誌「塔」は創刊70周年を迎えます。
これを記念して特集が組まれるそうで、エッセイの公募がありました。
①わたしの最初に載った一首(入会して最初に「塔」に載った歌を挙げる)
②わたしが塔に入った頃
③わたしの作歌現場
上記のうちひとつテーマを決めて書いてね、というものです。
先ほど原稿を提出しました。
帰省中にもちびちびと書いていたのですが完成しませんでした。
東京に戻ってきてひとりの空間になったことで一気に筆が進みました。
私はものを書くときには「ひとり」が必要なのだと改めて実感した次第。
短歌も実家にいる時にはほとんどできない。不思議。
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そういえば帰省中に祖母が庭の水仙を詠んだといって見せてくれました。
嬉しいね。これまで作歌経験はないそうです。
(初稿)
にわにでてかだんをながめめをやればすいせんの花
→結句の七音がないのでさしあたり「風に揺れをり」としてはどうかと伝えました。
また、「ながめ(眺める)」と「めをやれば(目を遣る)」が内容的に重複するため、片方を取り止めて別の言葉を入れるのはどうだろうと進言しました。
(改稿)
にわにでてかきねによれば足もとにスイセンの花風に揺れをり
→推敲してみたよ、と見せてくれた歌。すっきりと整っていい感じ。
歌に正解はない。「亀の甲より年の功」というか、これまで見聞きしてきたことがたくさんあるはずなので、それらを思い起こしながら、眼前の風物をうまく言葉にのせてもらえたら良いのではないかと思います。歌は万人にひらかれています。
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今日はこれから篠田治美『和歌と日本語』を読みます。
和歌の世界は良いですよ。世塵を逃れるためにも…。