記憶の汀

~大学図書館司書のとりとめのない日々のこと~

世界が輝いていたころ

小学生のころの読書体験はいつも輝いていた。

教室のうしろに図書館の本が15冊ほど置かれていた。

月ごとに新しい本に替わるんだ。

私はそこでまどみちおさんの詩集を読んだ。

よくわからないところもあったけれど、あったかい気持ちになったことを覚えている。

そして、よくわからないことがたくさんあることに不思議と喜びのようなものを感じていた。

そんな一時もあった。

 

その小学校も廃校になるという。

市町村合併で消え去った町の名前をいただく母校もまた消えてゆく運命にあるのだ。