記憶の汀

~大学図書館司書のとりとめのない日々のこと~

司書:情報資源組織論(レポート)〔司書7〕

こんにちは!

今日は私が受講した年度の「情報資源組織論」レポートについて書いていきます。

末尾の諸注意・免責事項も必ずお読みください。

 

<設題>

指定したキーワードをすべて使って、各設問の解答を完成させてください。

1.現在、主に公共図書館大学図書館で導入されているふたつの目録作業について、外部書誌データの利活用との関わりから概説してください。

結論では、各目録作業の利点や課題を明らかにしてください。

<キーワード:MARC、集中目録作業、共同目録作業、総合目録、書誌ユーティリティ>

⇒「ふたつの目録作業」とは・・・「集中目録作業」と「共同目録作業」のこと

キーワードを使いながら、このふたつを「外部書誌データの利活用との関わりから概説」すればOK!

 その際に結論は、このふたつの目録作業の「利点や課題を明らかに」すればOK!

 

2.十進記号法と列挙型分類法、それぞれの長所と短所を中心に、日本十進分類法(NDC)の特徴について論述ください。

結論では、長所と短所からの考察、日本十進分類法(NDC)を活用する意義や課題などを明らかにしてください。

<キーワード:総記、十進記号法、列挙型分類法、補助表、NDC>

⇒ 前提知識 日本十進分類法(NDC)は、「十進記号法」と「列挙型分類法」を使用している。

 キーワードを使いながら、「十進記号法」と「列挙型分類法」の長所と短所を、NDCの特徴という位置づけで論述すればOK!

 その際に結論では、「長所と短所からの考察、日本十進分類法(NDC)を活用する意義や課題など」について述べればOK!

 

<レポート>

【設問1】

1.はじめに

図書館における目録作業には、集中目録作業と共同目録作業の2つがある。ここでは、これらの作業の概説と利点・課題について述べる。

 

2.ふたつの目録作業

2-1.集中目録作業について

 集中目録作業とは、他の図書館でその作業結果が利用されることを前提に、複数の図書館が相互協力によって目録作業を集中的に行うこと(すべての資料の目録作業を集中的に1か所の図書館で行う場合もある)である。各図書館が新規資料を購入した際に、その資料の書誌データが存在している場合には、新たに作業することなく書誌情報を入手することができる。なお、この時に使用されるデータのことを機械可読目録(MARC)と呼んでいる。

2-2.共同目録作業について

共同目録作業とは、いくつかの図書館が目録作業の重複を避けることを目的に協力し、そのコストと労力を分け合って行う相互協力のことである。データベースに未収録の資料をある館が登録(オリジナル・カタロギング)すれば、他の館は必要に応じてその書誌レコードを複製して目録を作成(コピー・カタロギング)することができる。こうした共同目録作業によって作成されたデータベースは、総合目録データベースと呼ばれている。さて、この共同目録作業を進めるうえで必要となるのが書誌ユーティリティと呼ばれるシステムやデータベースを管理する専門の組織である。たとえば日本では、国立情報学研究所(NII)が挙げられる。共同目録作業を行う際に、相互貸借、目録の遡及変換等の図書館業務の支援やデータベース提供を行い、参加機関の業務軽減や標準化に寄与している。

 

3.おわりに

これまで述べてきた2つの目録作業に係る利点と課題を述べる。

まず、集中目録作業は一括して行われるため、目録作業の省力化と標準化に利点がある。また、課題としてはMARCにデータが存在しない場合に、新規資料として登録することができず、結果として図書の刊行とMARCへの収録との間にタイムラグが生じてしまうことが挙げられる。

次に、共同目録作業では、図書を購入した際に登録したデータを各図書館が相互に利用することができ、労力を軽減できる利点がある。また、課題としては各図書館が登録したデータに誤りがあった場合、他の図書館もその誤ったデータを使用してしまうことがある。また、同一の図書に対して複数のレコードが生成されてしまう可能性もある。よって、共同目録作業を円滑に進めるためには、一定水準を満たす標準的なレコードの作成や、既存の書誌レコードの検索漏れを防ぐ検索機能、典拠コントロール等の品質管理の仕組みが不可欠であると考えられる。

 

【設問2】

 1.はじめに

日本十進分類法(NDC)は、現在ほとんどの日本の公共図書館で活用されており、「十進記号法」と「列挙型分類法」を併用している点が特徴である。ここでは双方の長所と短所を述べつつ、NDCの意義や課題についても考察する。

 

2.NDCの特徴である「十進記号法」と「列挙型分類法」について

まず、「十進記号法」は、1桁上がるごとに10倍になる十進法の原理に基づき、10個の数字を用いた記号法である。よって、順序性が明快であり、記号の順序を理解しやすいという利点がある。また、内包を区分けするという方法により高い柔軟性を備えており、人類の学術文化の進展に対応可能という観点からも実用性が評価されている。一方で、区分が10個しかないという制約が区分を配分する上で欠点となる。

次に、「列挙型分類法」は、あらかじめすべての主題に対応した分類項目を分類表に用意し、対応する既成記号を使用させる分類法である。利点は、分類の区分が明確であることと、同じ主題のものがまとまることで検索性が高まること等が挙げられる。一方で課題としては、ありうべきすべての主題を予測して列挙しておくことは事実上不可能であり、該当項目がない場合や、複数の主題が含まれた場合も用意された分類表の中から一つを選択しなくてはならない点が挙げられる。そこで、この短所を克服すべく「分析合成型分類法」が考案され、複数の主題が設定できるようになった。

さて、日本十進分類法(NDC)は、上述の分類法を取り入れて作成されている。すなわち、列挙型分類法によって分類し、その分類に十進記号を用いて区分している。そして、分類作業では各種の注記などが示されている細目表を用いる。細目表は知識の総体を9つの領域に分け、1から9で表示し、事典などの複数の領域に渡る総合的な領域を総記と名付けて0で表示し、計10区分に分類して構築される。なお、項目に適合した分類がない場合は、一般補助表や固有補助表を利用し、記号を付加することでより適切な分類記号を作り出す。

 

3.おわりに

NDCを活用することで、資料の分類が明確になり、利用者の資料検索も容易になっている。なお、分類表は、社会情勢の変化や学術文化の進展状況にあわせて更新していく必要がある。その際、分類体系の複雑化や新たな区分原理の導入の必要が発生する可能性がある。この状況に対応するために、図書館員はあらゆる主題・領域に堪能であることが求められていると考える。

 

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