記憶の汀

~大学図書館司書のとりとめのない日々のこと~

司書:図書館サービス特論(レポート)〔司書9〕

こんにちは!

今日は私が受講した年度の「図書館サービス特論」レポートについて書いていきます。

末尾の諸注意・免責事項も必ずお読みください。

 

<設題>

身近にある公共図書館を実際に観察し、その図書館で行われている課題解決支援サービスの内容・特徴を述べると共に、設置されている地域の課題を考えると他にどのようなサービスが実現可能か具体的に提示しなさい。

 

<作成のポイント>

・まずレポートで取り上げる身近な公共図書館を選ぶ → 自分がふだん利用している市区町村立の図書館でよいでしょう。自分が実際に利用していることがポイントになります。

・選んだ図書館で行われている課題解決支援サービスの内容・特徴を述べる → 実際に図書館を訪れてどのような取り組みが行われているか確認しましょう。新たな気付きを得られるかもしれないので、司書の方に質問をしてみるのも良いと思います。

・地域の課題を探る → 図書館が設置されている自治体が抱えている課題について調べましょう。市区町村のホームページや会報などの媒体が有効です。根拠データが不明の場合は、再提出になることがあります。客観的な根拠を収集し、分析を加えていきましょう。

・実現可能なサービスを具体的に述べる → テキストに記載されている課題解決支援サービス(ビジネス支援、地場産業支援、健康・医療情報提供など)を参考に、自分が選んだ図書館が取り組むことのできるサービスを挙げましょう。

 

<レポート>

 本レポートでは、筆者の身近にある○○市立○○図書館について訪問調査し、○○図書館で行われている課題解決支援サービスの特徴を述べるとともに、さらに実現可能な新たなサービスについて私見を述べる。

 

1.課題解決支援サービス

○○図書館は、○○県○○市に設置されている4つの公共図書館のうちのひとつである。かつて4つの図書館はそれぞれ特色ある資料収集を行い、各々の課題解決支援サービスに繋げていた時期がある。従来から○○図書館は、児童書の収集に力を入れていた[1]。そして現在もその流れを汲んで、○○図書館は児童サービスを課題解決支援サービスの主軸としている。なお、20○○年○○月○○日~同年○○月○○日に○○市立図書館・○○図書館・○○図書館の窓口を訪れた利用者を対象に実施されたアンケート結果[2]によると、○○図書館で力を入れて取り組んでほしい事業の第一位が「子どもを対象とした事業」であったことからも、利用者が○○図書館に求める課題解決支援サービスの最たるものは児童サービスであると言えるだろう。

 ○○図書館は、隣接する○○大学の「○○○○○○」内の3・4階に位置している。3階は一般向けの資料を配架しており、○○席の閲覧席がある。4階は今回取り上げる児童サービスの拠点であり、○○,○○冊の児童向けの資料を有し[3]、「おはなしのへや」に○○席の閲覧席を設けている。また、「本をよむテーブル」が大小2台ずつフロアに設置されており、子どもたちが思い思いの絵本を広げて読んでいる。また、4階フロアにもカウンターがあり、図書館職員が常駐しており、貸出業務やレファレンスに対応している。

○○図書館では児童向けのサービスとして、絵本や紙芝居の読み聞かせの「おはなし会」(20○○年度:○○回開催・○○,○○人参加)[4]を実施している。「おはなし会」は「おはなしのへや」で毎回20~30分の時間で行われる。開催カレンダーは図書館内の掲示のほかにホームページにおいても確認することができる。[5] また、「○○○○○○」[6]等の児童向け読書案内を発行している。「○○○○○○」は、その時季に応じたテーマで絵本を紹介するものである。このような情報誌は親にとっても絵本選びの参考になるため、本と児童と親をつなぐ役割を果たしており、毎月新しい絵本が紹介されることで、図書館へ足を運ぶ動機づけにもなっている。

 

2.実現可能な新たなサービス

 ○○図書館が今後力を入れるべきサービスは、社会人を中心とした調べものニーズへの対応である。ここではその改善策について、蔵書の充実と適正な司書配置の2つの観点から述べる。

まず、蔵書についてであるが、実際に筆者が○○図書館を利用する中でも、児童書や一般書籍(小説など)と比べると、調べもの用に割り当てられた蔵書数や配架スペースは小さかった。また、調べもの用の閲覧席は休日には満席になっていることが多く、○○図書館利用者の調べものニーズの高さが窺われる。加えて、先に参照したアンケート結果[7]によると、専門書の充実に関する要望が挙がっていた。限られた予算の中で全ての分野の専門書を網羅的に購入していくことは困難なことであるため、市内の4館で各々が収集する専門書の分野を決めたうえで、特色ある蔵書の充実を図るのが現実的であろう。また、その際には市内の利用者がどのような専門書を希望する傾向にあるのか、そのニーズをアンケートや貸出状況等を参考に動向を掴んでおくとよいだろう。一方、図書館としては「テーマ別調べ方案内」というA3両面印刷のパスファインダーを作成して館内に設置している。これまでに取り上げられたテーマは、防災・外国文学・郷土の歴史・地図・法令などである。このパスファインダーもこれから収集する専門書のジャンルに応じてさらに充実させていく必要がある。

次に、適正な司書配置についてである。市内の図書館に勤務する司書の総計は○○名である(20○○年4月1日現在)。その内訳は、○○市立図書館が○○名、○○分館と○○図書館がそれぞれ○○名ずつ、そして○○図書館は○○名となっている[8]。そこで、○○市立図書館の○○名のうち○○~○○名程を○○図書館に配置することを希望する。市内の各図書館の規模から考えても、○○図書館に司書が不在であるのは問題であろう。また、これは司書の新規採用ではないため、それほど実行困難な希望ではないと考える。なによりも現状では市内の図書館間にサービスの格差が生じかねず、このような利用者にとって不都合な状態は早急に改善されなければならないと考える。

 以上、実現可能な新たなサービスとして、調べものニーズへの対応を述べた。専門書に関する特色ある蔵書構築と、適正な司書配置によるレファレンスサービスの充実の2点に手を打つことで、○○図書館は社会人を中心とする調べものニーズを満足させることができると考えられる。

 

<参考文献>

[1] ○○市図書館の現状と課題(○○市ホームページ)URL  最終アクセス日:20○○年○○月○○日

[2] [7] ○○市図書館事業評価書(評価期間:20○○年度~20○○年度)URL 最終アクセス日:20○○年○○月○○日

[3] [4] [8] ○○市の図書館20○○(図書館年報)URL 最終アクセス日:20○○年○○月○○日

[5] 20○○年度「定例おはなし会」のお知らせ PDF添付

[6]幼児向け読書案内「○○○○○○(No. ○○)」PDF添付

 

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